昔は春のお花見の季節は、楽しく待ち遠しい季節でした。
しかし、近年「花粉症患者」の増加で、春と言えば「お花見の季節」ではなく多くの人を悩ます「花粉症の季節」となりました。
2009年、理化学研究所免疫・アレルギー科学総合研究センター(当時)の谷口克氏は、子供の花粉症にしないための方法として次の9カ条を紹介しています。
- 生後早期にBCGを摂取させる
- 幼児期からヨーグルトなどの乳酸菌飲食物を摂取させる
- 小児期にはなるべく抗生物質を使わない
- 猫・犬を家の中で飼育する
- 早期に託児所などに預け、細菌感染の機会を増やす
- 適度に不衛生な環境を維持する
- 狭い家で、子だくさんの状態で育てる
- 農家で育てる
- 手や顔を洗う回数を少なくする
この9カ条を見て、是非今日から実践してみよう!と思う若いお母さんたちは、少ないのではないかと思います。
BCGを摂取すると、ナチュラルキラーT細胞が活性化し、アレルギー反応を防ぐ働きがあると同時に、結核菌には花粉症の発症を抑える作用があることがわかっています。
乳酸菌には免疫力を活性化させる作用があります。数年前には、小学校で6ヶ月にわたり給食でヨーグルトを摂取させたところ、インフルエンザ発症率が下がったと報道で取り上げられたことで、ヨーグルトが注目を浴びました。
また、乳酸菌には抗アレルギー反応があることも立証されています。
抗生物質は、病原菌の活動力を抑える効果がありますが、抗生物質の多い副作用として腸内細菌に影響をあたえ善玉菌を減少させてしまいます。
善玉菌が減少することで、腸内環境が悪化し下痢を起こしたりすることがあります。
また、腸内環境が悪化すると同時に、免疫力が低下してしまいます。
猫や犬を飼うことで、飼い主が最近に曝露される機会が増えることで免疫力がつきます。
託児所では、たくさん小さな子供がいるので、インフルエンザや風邪などをもらいやすく、通いはじめ頃は頻繁に体調を崩したりしますが、さまざまな病気にかかることで免疫力が向上していきます。
アトピー性皮膚炎などの影響で、子供が触れるもの全てが除菌されてしまっています。
殺菌、抗菌、除菌などの乱用は人と細菌の共存関係に悪影響を及ぼす危険性があります。
子供が細菌に対しての抵抗力をつける機会を奪うことになるので、余り神経質になり過ぎるのも良くありません。
子だくさんの家庭では、細かいことに構っていられなくなります。
衛生的な環境で育てられる子供ほど、免疫力が弱いと言われています。
アレルギー疾患増加の疫学調査によると、アレルギー疾患発症頻度は、第1子は6.3%なのに対し、第2子は4.9%、第3子になると3.1%と発症頻度が下がる傾向がわかっています。
花粉症は、ある程度不衛生でエンドトキシンの量が多い環境で育つと発症しにくくなり、下水道などインフラが完備されている所、車の交通量の多い所で育つと発症率が高くなると言われています。
また、土に触れあいながら生きる環境は、腸内フローラを豊かにし免疫力を強くします。
近年、子供たちが土に触れる環境が、どんどん少なくなってきているので、休みの日などは自然に触れる機会を多くすることが大切です。
うがいや手洗いは基本的な行為なので、この項目を見ると驚く人が多いかもしれまん。しかし、石鹸を使うと病原菌だけでなく皮膚に常在菌まで洗い流してしまうことなります。
インフルエンザや風邪などが流行している時期などは別ですが、普段は余り過剰になりすぎると良くないということです。